輸送戦艦スペース・デブリ

●あらすじ
どう見ても宇宙戦艦な輸送艦「スペース・デブリ」で運送業を営む艦長、やらない夫。
頭のネジが5本くらいぶっ飛んだ乗組員達と共に宇宙を駆け回る。
宇宙海賊と戦ったり、軍艦と喧嘩したり、女子高生にセクハラしたり、やりたい放題のやらない夫達だが、「幽霊艦」と呼ばれる船の調査依頼を受けたことを機に宇宙を揺るがす事件に巻き込まれる

●作品の魅力
馬鹿で下品でアツい奴らが宇宙を旅する話です。
ギャグを得意とする作者だけに、セリフ回しのセンスが秀逸で笑えます。
ストーリーも王道SFで、しっかりと練り込まれている。
SF考証はガバガバですが作者も全く気にしていないようで、「細けえこたぁいいんだよ!」ってぐらいの勢いが作品最大の魅力です。
やる夫はカードを引くようです

●あらすじ
女神が地上に残したカードによって生活が支えられている世界。
炭鉱夫のやる夫は、いつかカードを操ることを夢見てガチャチケットを溜め込んでいた。
ある日、カードバトルの条件となる「秘書カード」が排出される千載一遇のチャンスに出会う。
念願のカードバトルの世界へ飛び込むため、一世一代のガチャに挑む。

●作品の魅力
カードから召喚したキャラクターを使い、ポケモンのような戦いをするバトルものです。
主人公はカードバトルで立身出世を目指していく元炭鉱夫。
序盤は王道、中盤以降は政治と謀略を絡めたストーリーが展開されます。
カードによって職業や立場が決まってしまい、良いカードを引けるかどうかで人生が左右される。
世界設定はかなり厳しく、汚職や腐敗が横行し貧富の格差が激しい。
カードに使用されるキャラクターはコアなものが多く、思わずニヤっとしてしまいます。
主人公やる夫の極めて偏った性格と振り回される周囲の人間のリアクションも面白く、ストーリー、アクション、ギャグのバランスが高いレベルでまとまっている作品です。
やる夫とやらない夫たちは、ラグナロクに挑むようです

●あらすじ
敵の軍に拿捕された避難船の乗組員達は未開の惑星ラグナロクに放逐される。
ラグナロクは極端な気候、1.5倍の重力、獰猛な猛獣と人間が生きるには過酷過ぎる惑星であり、次々に人が死んでいく。
残された人々は未来のために、元の惑星に戻るために、敵軍への復讐の為に世代を越えて惑星ラグナロクと戦い続ける。

●作品の魅力
古典SF小説「宇宙の漂流者」が原作。
やる夫スレの特性をうまく使って表現しています。
世代を越えて惑星を生きる術を受け継いでいく人類、未来のために自らを犠牲にしてでも子孫に遺産を残そうとする主要人物たちに心を打たれます。
ラストの世代は今までの犠牲が無駄では無かったと思わせるストーリーで、本作で最も熱い展開でした。
昔のSFなので好みは分かれると思いますが、抵抗が無ければ是非読んで欲しい作品です。
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