警察学校めちゃくちゃキツかった②

警察系記事
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●最初の訓練

自衛隊でもそうですが、最初の訓練は「基本教練」から始まります。

「気をつけ」「休め」「敬礼」「なおれ」

これをひたすら繰り返します。

1月の入校だったので時期は真冬、グラウンドに集合した我々は教官の号令に合わせてひたすら動作を繰り返します。

およそ3時間、間に一回トイレ休憩室5分を挟んだだけで通しでやり続けました。

寒さで指先の感覚がなくなり足はプルプルしてくるのですが、気を抜くと教官の怒号が飛んできます。

号令に対して反応が遅れれば、胸ぐらをつかまれ

「てめえ、やる気あんのか!」

疲れて姿勢を崩せば、皆の前に引きずり出され

「お前ら、こいつだけ手を抜いてるぞ!」

と晒される。

やってることは単純なのですが、とにかく必死。

しかし、そんな状況でも慣れると余裕が生まれます。

「気をつけ」の姿勢が10分以上続いた時、ケツが痒くなりました。

「我慢出来ない」と思った私はスススと手を動かしてケツをかいていたのですが…

相手は歴戦の警察官、すぐバレて

「ケツかいてんじゃねえ!」

とケツを蹴りあげられる。

また、眼鏡をかけた学生がビンタされた時、眼鏡が綺麗な放物線を描いて飛んで完璧な着地を決めました。

それがツボに入った学生が数名ビンタされる。

私は鬼の形相で笑いを誤魔化し難を逃れましたが、逆に反抗的だと思われてビンタされました。

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●学校生活

もう細かい時間は忘れてしまいましたが警察学校は朝早くに点呼をして8時くらいから授業が始まります。

朝は掃除したりゴミ出しをしたりと忙しいです。

夕方に風呂の時間があり、その後は自習の時間になります。

自習の後に夜の点呼があります。

自由時間は1日で1時間くらいしかありません。

食事は平日の朝、昼、夕を食堂で喫食するのですが土日は食堂が閉まるため自分で買ってきます。

この食堂がとにかく飯がマズイ(笑)

体調が優れない時に食べると気分が悪くなるので、カップラーメンで済ます時もありました。

自衛隊の武山駐屯地も飯がマズイことで有名でしたが、警察学校はその斜め上をいきます。

どうマズイかは形容しがたいですが、基本的に米以外はマズかったです。

警察学校は高卒は10ヶ月、大卒は6ヶ月で卒業します。

大体1~3ヶ月ごとに新入生が入ってきます。

最初の3ヶ月間は携帯が没収されるので外部への連絡手段は校内に一ヶ所ある公衆電話のみです。

夜の点呼後の僅かな自由時間に新入生が公衆電話に行列を作り、泣きながら家族に電話をするのが風物詩になっていました。

授業が進むにつれて時間に余裕が無くなってきます。

教場当番という日直みたいな役割があり、当番が回ってくると雑用が多くなり忙しくなります。

他には学校みたいに○○委員みたいな役職が一人一人あるので、ハズレを引くと大変なことになります。

私は学生の外出申請をやっていて数十人分の書類をチェックして教官に提出する仕事でした。

ただ、外出申請は細かく様式が決まっていて何度も書き直しが発生したり、提出が出来ても汚れやシワがあると破り捨てられます。

学生も適当に書いたり、なかなか提出しなかったりして全然終わらない。

カップラーメンを食べながら書いて、汁をこぼしたまま提出する学生もいました。

個人的には結構なストレスになっていた記憶があります(笑)

そんな訳で飯を食う時間が無い、風呂に入る時間が無いという状況が頻繁に起こるのですが、それが教官にバレると死ぬほど怒られます。

教官曰く、「バレないように頭を使うのは大事だが、飯と風呂だけはちゃんといけ」

確かに厳しい生活で飯と風呂をおろそかにすると体調を崩しやすいのですが、要領を覚えるまではなかなか厳しいです。

週末は外出が出来ます。

金曜日の夜、土曜日、日曜日は外出可能で外泊も出来ます。

しかし、外出外泊ばかりしていると怒られます。

警察官を目指す者は休日も自習と自主トレに励むものだという考えがあり、実際に警察学校の期間だけでは現場で耐えられる人間を育てるのは難しいでしょう。

しかし、若い頃の私は

「こちとら外に出てリフレッシュしたいんじゃ」

と思っていたので怒られないギリギリを攻めていました。

そもそも土日は食堂が閉まるので外出しない場合は前日に飯を準備するか、外出する学生に買ってきてもらうしかありません。

そもそも警察学校の生活は囚人かと思うほど厳格なので、下手なことは出来ません。

自室すら教官が見回りに来たりするので風呂以外では常に緊張感がつきまといます。

休みの日まで気を使いたくないので、外出したがる学生は多いです。

あと、貯金も定期的に調査されます。

借金を抱えて破綻した警察官も過去にいたので、その対策です。

パチンコを打つ学生は貯金が少なく、よく怒られているのを目にしていました。

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●学科

警察学校では一コマ90分の学科の授業があります。

警察官はとにかく覚えることが多い。

学科は「刑法」「刑事訴訟法」「民法」「道路交通法」「警察官職務執行法」などなど。

また、警察書類の書き方や思考力、判断力を養う授業もあります。

選択課目もあり私は初級の英語を習いました。

守秘義務で詳細は話せませんが、国の歴史に関わることや世の中の背景も習ったりします。

それぞれに担当の教官もいて、全員おっかないです。

普通に受けても大変なのですが、訓練でヘロヘロになった後で受けることも多くて居眠りが多発します。

普通の学校と違い、居眠りどころか欠伸をしただけで制裁が加えられます。

当時の私はポンコツだったので、よく始末書を書く「始末書四天王」の一人でした。

その始末書の主な原因が居眠りです。

制裁が加えられるので寝る気は1ミリもないのですが、限界を越えると気絶したように意識が飛びます。

ある日、「バターン!バターン!」という音がして目が覚めると、教官によって私の教科書が廊下に投げ捨てられている所でした。

一瞬で状況を把握するも、教官によって廊下に引きずり出されます。

それから3日間は教場に入れて貰えず廊下で授業を受けることになりました。

「すっげえ寒い」と思いながらノートを書いたのは良い思い出です(笑)

巧妙に居眠りをする学生もいて、警察学校の10ヶ月間で一度もバレない猛者もいます。

まあでも多くの学生はバレるので、そもそも寝ないように「エスタロンモカ」みたいな眠くならない錠剤を愛用していました。

その弊害で夜に眠れない学生が多発し、不眠症が問題となって後に禁止されてしまいます。

それでも使わないと眠ってしまう学生の間では影で「あれ」と呼ばれ、まるで違法薬物みたいに取引されてたのが印象的でした。

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●術科訓練

学科と同じく術科訓練も覚えることが山ほどあります。

余談ですが、警察学校内では学科の教官・助教より術科の教官・助教の方がヒエラルキーが高かったです。

・逮捕術

 体さばき、打撃、間接技、警棒、警杖などを習い、型の訓練と防具を装着した訓練を行います。

 逮捕が目的なので、倒すのではなく最小限のダメージで制圧するための技術です。

 現場に出て思ったのは、体さばきがめちゃくちゃ重要ということです。

 防具訓練はとにかくキツかった覚えがあり、初めて過呼吸を経験しました。

・柔道、剣道

選択課目なので好きな方を選びます。

柔道は金はかからないがキツい、剣道は金がかかるが柔道よりは楽と言われていました。

私は前から興味があったので柔道にしました。

投げよりは受け身が後々役に立つ場面が多かったので、覚えて良かったと思っています。

ただ、柔道の授業は毎回乱取り20本とかを普通にやるし荒っぽいので怪我もしやすいです。

そして警察学校なので色々と容赦もない。

足の親指を骨折して柔道の授業を見学している時、助教が近づいてきて大声で

「お前は良いよなあ!皆が苦しい思いしてるのに怪我したくらいで休めるんだもんなあ!」

「みんなに申し訳なくないのかあ!?」

これを言われたらやらない訳にもいかず

「やります!」

と答えて足を引きずりながら柔道をやりました。

その後、怪我してるのに柔道をやったということで担任の教官から怒られるのですが…まあ良くあることです。

・拳銃

とにかく緊張感のある授業です。

扱いを間違えれば大惨事になるので、とにかく厳格に訓練を管理されています。

射撃技術の前に銃の基本教練や安全管理を徹底的に叩きこまれます。

ここは自衛隊より厳しいです。

この時の経験から、心得の無い者が銃に触ることに対して抵抗を感じるようになりました。

リボルバーの射撃は結構クセがあって慣れないと難しいです。

私は市内で使うことを想定した場合、止まっている的でも最大30m、動く的だと10m以内でないと当てる自信は無いです。

よく誤解されがちですが、警察拳銃は銃としては弱くて人間相手ならまだしも野生動物の相手は厳しいです。

内容が薄くなってしまいましたが、射撃関連は秘密が多くて話せないことが多いです。

・分隊教練 

基本教練の発展型で、集団で同じ動作をする訓練です。

自衛隊でもやるのですが、警察学校の分隊教練はキツイです。

基本動作が終わると、機動隊と同じ装備で訓練が始まります。 

金属のヘルメット、金属入りの小手、金属入りのすね当て、編み上げ靴(ブーツ)、金属の盾

たまに胴体を守る防護衣もつけます。

その状態で1時間以上ひたすら走る訓練があるのですが、制限があって

・同じ歩幅、歩調で走る
・盾は基本左手で保持、持ちかえは号令で行う
・常に声を出す
・たまにインディアンランニング

自衛隊のハイポートよりキツイです。

他には盾を構えて突進に耐える訓練、盾を上に持ち上げてひたすら耐える訓練などなど。

耐久に特化した訓練が多かったです。

夏場になると学生の誰かが訓練で倒れるので、救急車が来るのがほぼ日課になってました。

学生達もその程度では動じなくなっていて

「また救急車来てらあ」

ぐらいの感覚でした。

その③へ続く

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