危機管理能力とは?

哲学系記事
スポンサーリンク

「日本人には危機管理能力が足りない」

良く聞く言葉ですし、公安やセキュリティに携わってきた人なら痛感している話でしょう。

危機管理とは起きうる事態を想定して、防止またはリスクを軽減するための行動。

災害に備えた備蓄や避難訓練も危機管理ですし、軍隊や警備会社も危機管理の観点から存在しています。

身近な話をすると、感染防止のためのマスクや家の鍵をかけることも危機管理に入ります。

日本人は世界的に見ても危機管理をしない民族です。

例えば自転車に乗ってる時、住宅街の十字路を通る際に徐行して左右を確認しているでしょうか?

危機管理が出来ている人はこれを当たり前にやっています。

しかしスピードも落とさず左右も見ずに突っ切る人が多く、毎年多くの事故が起きています。

講習などで危機管理能力の話をすると

「必要ないからやらないだけ」
「いざとなったらやるから平気」

と言う人が必ずいます。

この言葉は飽きるほど聞いてきました。

「いざ」というのはいつでしょうか?
車に轢かれる直前?直後?

今まで事故に遭わなかったのは「偶然」です。

「偶然」よりも安全性を確実にするための危機管理は「必要ない」と言えるでしょうか?

危機管理に「必要が少ない」はあっても「必要ない」はありません。
リスクの軽重に合わせて行動が変わるだけです。

また、大抵の場合は事前の準備が出来ていなければ話になりません。

いざとなってから動いても遅いということ。

準備をしなければ、いざとなっても何も出来ないということ。

これを理解している人は本当に少ないです。

スポンサーリンク

なぜ危機管理能力が足りないのか?

これの原因は「何も考えなくても生きていける社会」だと考えています。

日本は他国に比べて極めて治安が良い国です。

自分が犯罪の被害に遭うことを意識しないで生活が出来る数少ない国です。

日常生活に潜むリスクなんて気にもしないというのはある意味自然な流れです。

家にショットガンを置かないと不安だという国の人から見れば異常でしょう。

また、日本人にとっては学校に通い、就職し、安定した給料を貰うことが当たり前になっています。

実力が無ければすぐに職を失う国、子供がサトウキビを観光客に売って生活をしているような国もある中、努力しなくてもそこそこの生活が出来るのは日本くらいではないでしょうか。

この環境で自然に危機管理能力が育つ訳がないと思いませんか?

「アホウドリ」という鳥がいます。

彼等の住む島は外敵がおらず食べ物も豊富なため、野生動物が持つ危機感を失っていました。

人間が上陸した時、目の前で仲間が捕まって食べられても危機感を抱かず逃げようともしませんでした。

どんなに経済が低迷しても、裏で他国が侵略を進めていても、凶悪犯罪が横行しても…

なんとなく「自分は大丈夫」と楽観的で危機感の無い姿を見て、「日本人はアホウドリ」と外国の記事で揶揄されたことがありました。

スポンサーリンク

危機管理は管理職に特に必要とされるスキル

とある工場の管理職…工場長になったとします。

工場長は工場を問題無く運営することが仕事なので事故やトラブルが起きないように危機管理をします。

工場で起こりうる問題を想定して予防策を実施し、起きた際は最小限の被害で収められるように準備をします。

事故が起きた際は工場長の責任が追及されます。

これは危機管理が十分であったかという追及です。

危機管理が足りなかったと判断された場合は工場長をクビになるわけですが、危機管理能力の無い人間が外されただけなので至極妥当な結果です。

危機管理能力はスキルの一つであって、数多くのリスクに対応出来るほど有能になります。

レベルの高い仕事や役職に就くためには本来なら必須とも言える能力です。

スポンサーリンク

リスクは見える人にしか見えない

危機管理をするうえでリスクが見えていないと話になりません。

リスクは幽霊みたいなものです。

見える人にしか見えず、見えない人には存在すら疑わしい。

セキュリティの現場では常にクライアントに理解を求める必要があります。

ある人が、「オートロックのマンションに住んでるから安心」と言いました。

オートロックを突破する方法はいくらでもあります。

例えば、壁をよじ登ってベランダから侵入するとかです。

しかし、「人間にそんなことが出来る訳がない」と言われてしまいました。

その人にとっては空からドラゴンに襲われるぐらいあり得ないことだったのかもしれません。

ところが、私でも簡単に出来てしまうことです。

生きてきた環境が違うと認識も大きくズレてしまう訳です。

多くの人が危機感を持たずに生きているのは、存在するリスクに気付いていないだけだったりします。

スポンサーリンク

危機管理能力を身につけるためには

まず、リスクが見えるようになること。

これは経験が全てです。

厳しい環境に身を置くこと、数え切れないほどの挑戦と失敗、当事者意識を持ち責任から逃げずに向き合うこと、などなど。

これらの行動の結果、危機管理をする思考が生まれます。

学校の学級委員とかでも経験しておくと一般生徒とは結構な差がつきます。

経験を積み重ねていけば思考停止しない限り自然にリスクが見えてきます。

リスクが見えた後の対応は才能の領域にあるので、一概にこうすれば身に付くということは言えません。

その人が持つ洞察力や創造力・想像力が鍵になります。

対応はマニュアル化も可能なので出来る人に考えてもらっても良い。

ただし、自分で出来る範囲のことはやっていかないと成長しません。

数値化も出来ず言語化も難しい能力なのでフワッとした内容になってしまいました。

最後に一つ言えることは、苦労をするほど危機管理能力が向上します。

危機管理能力は、経験を積み重ねた人間が身につけられる能力だからです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました