周辺視とは視界の端を使って物を見ることです。
慣れると視界が広く取れるようになり、視線を動かさなくても広範囲を監視出来るようになります。
また、視界の端は大まかな動きしか判別出来ませんが、中心部よりも暗い場所を見ることが出来ます。
武道では八方目と呼ばれる技術ですね。
今回はそんな周辺視の話をしようと思います。
兵士のスキル
私が周辺視を習ったのは自衛隊です。
動きを小さくしながら監視したり、暗視眼鏡やライトを使えない状態の夜間行動で役に立ちます。
無灯火で暗闇の中、車を運転したりする際には周辺視が使えないと厳しいです。
特に私は観測手だったので「視る」技術に長けていないといけませんし、夜間にコソコソ移動することも多かったから使えないと話になりませんでした。
そもそも兵士には必須スキルなのでは?
と思っていたのですが…意外とそうでもないらしく、自衛官でも周辺視を使えない人は多いです。
まあ、今は暗視眼鏡や高性能なライトがあるから周辺視が使えなくても困らないですしね。
装備の行き渡らない場末の根性論部隊でなければ必要無いのかもしれません。
しかし覚えると便利で、目線を正面に向けたまま隣の人のオッパイが見えます。
まあ、冗談はさておき(笑)
車の運転などでも視界が広くとれたり、危険予測や察知に使えます。
警備業でも、じっとしたまま広範囲を警戒出来るので覚えて良かったと思える技術でした。
ただ、知らない人からはちゃんと見てるのか不安になるらしく、車の運転や警備中に
「ちゃんと周りを見ろ」
と言われたりします。
前の職場のミリタリーオタクで武道をやっている上司にも言われたので
「周辺視を使っています」
と答えたら
「なんだそれ」
と言われたこともありました。
「ミリタリーオタクで武道もやってるのに周辺視を知らんのかい」
と思いましたが、認知度はそんなものなのかもしれません。
加齢と共に視野が狭くなる
人間は目が顔の前についているので、正面を見るのに適しています。
草食動物のように、元から周囲を視るような構造ではないわけです。
さらに年齢と共に視野は狭くなっていきます。
現代ではスマホなどの小さい画面を注視する事が多くなったので余計ですね。
視野が狭くなるってのは地味に危険なんですよ。
街中を歩いていても
「良く死なないな」
と思うほど周りが見えていない人もいますし、車の運転となると深刻です。
試しに片目をつむって歩いたりしてみて下さい。
視野の狭まる危険性を多少は感じられると思います。
視野が狭まると思考力にも影響すると何かの論文にも書いてありましたし、視野ってのは結構大事です。
視野は意図的に広げようとしないとなかなか広がらないものなので、周辺視を使う癖をつけると改善につながります。
周辺視を使う練習
私がよくやるトレーニングは
1 顔を正面に向けたまま両手を顔の横に持ってくる

2 指の本数を確認出来る位置で一本ずつ指を折り畳んで いく。

3 全部の指が確認出来たら少し手を後ろにズラして動作を繰り返していく。
これを毎日やっていくと、周辺視でも物が見やすくなり視野が広がっていきます。
また、明後日の方向を見ながら他人の動向を監視するのも効果的です。
慣れてきたら暗闇で物が見えるか試してみるのも良いと思います。
そんなに難しいものではなく、地味な反復練習で身に付くのでやってみて下さい。
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