小さいよりは大きい方が良いと思われがちですが、大きければ大きいで微妙です。
物事には適切な度合いがあり、大き過ぎても小さ過ぎてもよくない。
大きい服は着ることが出来ても見た目は変です。
「大は小を兼ねるからデカけりゃ良いだろ」
と言う考え方に補足するのが今回の話です。
無駄が増える
自衛隊の日常業務の人員はどんぶり勘定で出される事が多いです。
「少ないよりは多い方が良いだろ」
という考えで雑に決められていたりするからです。
ある時、訓練で使った備品の整備をする時に、私を含めて20人くらい集められました。
正直、10人で足りる作業でしたので人手が余ります。
自衛隊には変な風習があり、若い隊員はやることが無くても手が止まってると怒られてしまう。
そのため作業の取り合いになり、作業にありついた者は他の隊員よりも早く終わらないようにゆっくり作業をする。
さらに、早く終わってしまうと都合が悪い陸曹が30分に1回30分の休憩を入れて無理矢理に時間を引き延ばしたので1日かかりました。
10人いれば半日で終わる作業が、20人で1日かかったわけです。
その間、他では人手が足りず、私が抱えている個人の業務は絶賛停滞していました。
アホかと思うほどの効率の悪さです。
人手が少ないのは問題ですが、多ければ多いで無駄が増えるんですよ。
ある時の休暇中、私はバイクで一人旅に出ました。
ツーリング用のバッグを大きくしたので色々な物を詰め込んだのですが、結局その半分も使いませんでした。
タープを持っていきましたがテントだけで十分でしたし、調理道具も鍋とナイフと小型のバーナーで事足りました。
生活用品も寝袋とマットさえあれば良く、椅子やテーブルは使いませんでした。
結局、ツーリングバッグを大きくしても無駄な物を詰め込んで重くしただけだった。
大きければ良いという物でも無かったわけです。
考えなくなる
年収300万で貯金が出来る人もいれば、年収1000万で貯金がゼロの人もいます。
これはマネーリテラシーの差です。
収入に余裕があると生活水準が向上し、同時に無駄な出費も増えます。
余裕があるほどお金について考えなくなってしまうものです。
例えば実家暮らしなら出費を気にせず自由に使えます。
毎月の手取りがそのまま自由に使えますし、お金が無くなっても生活が出来るので金銭感覚が壊れやすくなります。
実際、今までに出会ってきた実家暮らしの人のうち、半分くらいは金使いが荒かったです。
自衛隊も同じように生活費がかからないのですが…貯金が出来ない隊員も多く、借金すらする奴もいます。
高収入を得ることが悪いとは思いません。
ブラック企業の
「社員に金渡すとロクなことにならない」
とかいうアホな言い訳に賛同もしません。
ただ、身の丈に合わない金額をいきなり受け取ると麻痺します。
最低限必要な金額を決めて、それを越える分は貯蓄するなりしていかないと、お金はすぐに無くなります。
必要な分以上の金は、金銭感覚を壊して無限に金が足りないループに陥るので、貯蓄はそういう意味でも重要だったりします。
自由に使える金がありすぎても良くないわけです。
オーバースペック
日本の警察官が所持する拳銃は意図的に弱く作られています。
使用する38口径弾は野生動物を殺傷する能力はありませんし、人間相手でも急所に当たらない限りはそうそう死ぬことはありません。
なんでかというと、基本的に警察官は犯罪の抑止と犯罪者の逮捕を目的としています。
威嚇射撃で怯ませたり、日本刀を振り回す相手などやむを得ない場合に発砲するためなので、相手を射殺するための銃ではないわけです。
軍用銃のように強力な弾薬を使ってしまうと、逮捕以前に相手が死んでしまうのでオーバースペックになってしまいます。
一方で犯人を射殺することも多いアメリカの警察官が強力な弾薬を使っているかというとそうではありません。
9mm×19弾という38口径弾より若干威力が高い弾と40S&W弾というもう少し威力を強化した弾薬が主に使われています。
軍用拳銃にも使われる強力な45ACP弾や357マグナム弾のような強力な弾薬はあまり使われません。
弾薬は強力になるほど装弾数は減るし反動も大きくなり使い難くなる。
銃本体も頑丈にする必要があるので重くなります。
アメリカでも警察官の主な仕事は治安の維持です。
強力過ぎる銃はやはり使いづらいとのことでした。
余談ですが、映画やゲームによく登場するデザートイーグルという拳銃があります。
44マグナム弾や50AE弾という拳銃弾の中ではかなり強力な弾薬を発射できる自動拳銃です。
しかし、重いし反動強いし弾数は少ないしで、現地の私服警官曰く
「マジで使い道が無い」
という代物だそうです。
何事も適切が一番ということですね。
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