幽霊って、いるなら見てみたいんですよ。
それが一体どういうものなのか非常に気になります。
事故物件に住んでいても見る機会はありませんでした。
若い頃は心霊スポットにも行きましたが、やはり何事もなく終わりました。
今回は私の興味と考察の話です。
どんな形?
まず気になるのが、外見がどこまで反映されるのかという話です。
事故で身体が欠損した幽霊は、欠損したままで登場するのが怪談話の通例です。
つまり体に対する影響は残るということ。
では、タトゥーを入れた幽霊はタトゥーもそのまま残るのか?
タトゥーが入った幽霊って話はあまり聞かないですね。
タトゥーを入れる文化が根付いている国ではタトゥー幽霊も登場するのかもしれません。
では、私が胴体に「うんこ」とマジックで書いたまま死亡したら、文字は消えないまま幽霊になるのでしょうか?
間抜けな絵面になるので、少なくとも怪談話で語られることは無いでしょうね。
ちなみに幽霊に足がないのは、江戸時代の絵師である円山応挙の作品が元だそうです。
それ以前にも足の無い幽霊は描かれていたそうですが、現存する作品はありません。
今日の足が無い幽霊のイメージは円山応挙が発祥というわけです。
私としては、この時点で足の無い幽霊の怪談話は疑わしいものになりました。
また、白い服を着てるイメージは死に装束からとされています。
現代の怪談話で死に装束のまま登場するのは稀です。
怪談話にやたら白い服の人が出てきますが
「そんなに白い服着てる人いるの?」
という疑問を持っています。
私は怪談話は基本的にエンターテイメントだと考えています。
小説やマンガのように、人々を楽しませるために作られた物語です。
時代に合わせて、斬新さや恐怖を追求して形が変わっていくものなのだと。
だから、我々がイメージする幽霊はあくまでイメージであり、幽霊が実在するなら予想外な形をしているのかもしれません。
枯れ尾花説
「幽霊の正体見たり、枯れ尾花」
というやつですね。
要するに錯覚という話です。
カマイタチという妖怪は、真空の渦によって起きる切り傷に理由をつけたものでした。
得体の知れない物に理由をつけたがるのは人の習性です。
同様に幽霊も何かの理由として語られているものではないでしょうか?
夜中に、風によって飛ばされた白いTシャツを見たら幽霊と思う人もいるでしょう。
プロジェクトマッピングでイメージ通りの幽霊を壁に映したら、よく調べもせずに逃げ出す人もいて「幽霊を見た」と言うでしょう。
恐怖によって錯覚は起きやすくなります。
子供の頃、人気の無い空き地でギシギシ揺れてる車を見てポルターガイストだと思ったことがありました。
学校の先生に話した時、困った顔をしていましたね(笑)
心霊特番を見た後は壁の染みが人の顔に見えたことも。
事象には必ず理由があり、理由の分からないものは幽霊や妖怪とされてしまいやすいものです。
だから幽霊を見たと思ったら近づいて調べてみる必要があると思います。
つい最近、人気の無い山中で奇妙な動きをする人影を発見して近づいたら、スリ足で歩くジーさんでした。
案外そんなものなんですよね。
断定する前に正体を見極める、これは幽霊以外にも通用することです。
まあ、話としては幽霊にしておいた方が面白いのですが。
概念として存在する
皆さんは「バナサン」という物の怪をご存知でしょうか?
丸いブヨブヨした体で、目が合うと「やっほやっほ」と言いながらしつこく付きまとってくるという習性を持っています。
夕方から夜間にかけて現れる北関東の妖怪です。
嘘です(笑)
私が自衛隊の先輩をモデルにして勝手に作りました。
皆さんはバナサンという存在を知りませんでしたが、私の話によって認知しました。
皆さんの中にバナサンという概念が誕生したわけです。
皆さんはバナサンを見たことがありませんが、それがどういうものであるかを説明することが出来ます。
日本人はオーロラを見たことがある人はあまりいないでしょう。
しかし、ほとんどの人はオーロラを知っています。
実際にオーロラを確認したわけではありませんが、オーロラを知っている。
オーロラを見たことが無い人にとっては、バナサンもオーロラも概念としての存在なわけです。
まあ、信憑性には雲泥の差がありますし、バナサンは私の作り話で、オーロラは私も実際に見ています。
実際に確認して初めて「実在」となるのですが、概念上の存在というものは結構あるものです。
人類という枠組みで考えると実在するものは多いですが、個人レベルだとほとんどの物が概念上の存在になってしまいます。
バナサンはモデルになった人はいますが、私が作った妖怪なので実在しないとハッキリ言えます。
しかし、幽霊は存在を主張する人が遥か昔からいて、それらを全て否定することは出来ない。
存在を確認出来ていないが、存在しないとも言えないのが幽霊なんですよね。
誰もが知るような強力な概念として存在し、メディアにも頻繁に登場する幽霊は、いかにも幽霊らしく非常に曖昧な存在なわけです。
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