人の価値観はそれぞれあって、感じ方や考え方は人によって違います。
誰かに上手く伝わった話を、別の人に話しても同じように伝わるとは限りません。
伝わりやすさは人によって変化します。
竹を割ったようにシンプルな話を好む人もいれば、難解な言い回しを好む人もいます。
また、世界は残酷だという世界観を持っている人に、世界は優しいという目線の話をしても伝わりません。
色々な人に伝えるためには角度を変える必要がある。
今回はそんな話です。
角度を変える
例えば「人を殴ってはいけない」と伝える時にどう話すかですが…私は哲学的な説明を好みます。
「それは信用を失う行為で、信用を失うことは実感しづらいが大きな損失になる」
という感じですね。
ただ、長げーし、信用の説明から入らないといけません。
さらに私の場合、必ずしも殴ってはいけないという訳ではないという「正当防衛」などの説明もしたくなります。
それを子供に伝えるとしたら、相手は飽きて寝ますね。
だから、一般的にはシンプルな説明がよく使われます。
「自分がされて嫌なことはしてはいけない」
これは分かりやすいのですが、万人に通用するわけではありません。
子供の頃の私は色々な物事に耐性があったので、自分がされて嫌なことは少なかったんですよ。
自分がされて嫌なことはしませんでしたが、自分は平気でも相手が嫌なことはしてました。
そういう変な奴もいるので、角度を変えて伝える必要があるわけです。
「人を殴ると嫌われて、友達がいなくなるぞ」
とか
「殴るのは悪いことだ、警察に捕まるぞ」
みたいに、色々と変化をつけて試していく。
私の場合は、「善良であろうとする意味」という記事に書いた先生とのやり取りで直りました。
また、単純なことですが相手の世界観でイメージしやすい伝え方も大事ですね。
「自分の正義を持ちなさい」という説明をする時、子供相手に
「アンパンマンは自分の正義があるから、邪魔をされても人を助けている」
「アンパンマンは自分が正しいと思うことをしてるから、苦しくても戦えるんだよ」
と伝えれば、まだ分かりやすいと思います。
これが
「時の内務大臣、板垣退助は…」
だったら、子供はポカーンとしますね。
これは当たり前の話だと思うでしょう。
相手が子供なら、子供の世界観に合わせて説明する人がほとんどです。
しかし、大人に対しても相手の世界観に合わせて説明出来る人は少ないです。
目の前にいる人に伝える時は、相手を観察して相手の世界観を読み取らないと、思ったより伝わらないものです。
不特定多数に伝える時は、様々なタイプの人間を想定して、同じ内容で角度を変えた話をする必要があります。
重複して伝える
私は過去の記事と内容が重複した記事を書いたりします。
大事だと思うことほど重複します。
これを書いている時点で記事の数も200近いので、全てに目を通す人はまずいないというのが理由の一つです。
他の理由としては、読んだ人に言いたいことが正しく伝わるとは限らないということが挙げられます。
善人も悪人も、論理的な人も感情的な人もいる想定で書いているので、一つの伝え方だけでは不十分だと考えています。
それゆえに同じ内容の話を、角度を変えて盛り込むわけです。
ただ、一本まるごと同じ内容というのも芸が無いので、3つに分けたパートの一つを使ったりします。
そもそも私の話は、人とズレた考えであることも多いので、初見では上手く浸透しない可能性もあります。
壁にペンキを塗る時、下地を作ってから何重にも塗るように、他人の価値観の外にある話をする時は何重にも話す必要があります。
まあ、ブチギレて「二度と読まねえ!」って人もいるんですけどね。
受け入れられないのも批判されるのも、そういう話をしているので当然のことです。
それも含めて考えるキッカケになれば良いと思っています。
賛否両論の賛しか起きない話は個人的に面白くないので、したくないというのもありますが。
言いにくい事を伝える
私は共感能力に乏しいので、相手の反応を気にせずに意見を伝えることが出来ます。
それでも相手の反応は推測出来ますし、その上で伝えたりします。
共感能力のある人は、相手の気分を害することを言いづらいのも理解しています。
それでも伝えなければならない場面もあり、そこで手を抜くとズルズルと問題を引きずるようになります。
例えば、人の長所。
誉めて自信を持つ人なら構いませんし、私も能力を正しく認識していない人には誉めて伝えます。
ただ、誉められることを嫌がる人が一定数いて、誰彼構わず誉めるのも良いことではありません。
イケメンと言われるのを嫌がるイケメンもいます。
よっぽど嫌な思いをしてきたんだろうなと思いますが、嫌かどうかは別として事実イケメンなんですよ。
人間性の低い集団と関わると妬みで潰される可能性もある。
だから
「あなたの容姿だと妬みを買って苦労すると思う」
と相手が嫌でもハッキリ伝えたりします。
逆に短所の場合。
必要が無いのにワザワザ言って傷つけるのはどうかと思います。
しかし、相手に問題があって伝えた方が良い場合もある。
承認欲求が強い人は多いですが、自分の承認欲求に触れられるのを嫌がる人も多いんですよ。
承認欲求は明確な短所とは言い切れないんですが、とにかく変な行動をしてしまう人が多い。
大抵の場合、良く思われようとして逆に自分の価値に傷をつけてしまいます。
相手のことがどうでもいいなら放っておくし、関わらないようにするだけです。
しかし、そうでないなら何とかして伝える必要があります。
「言葉の抵抗値」という記事でも話しましたが、相手によって受け取りやすい伝え方は変わります。
ハッキリ伝えた方が良い場合もあれば、例え話を用いて遠回しに伝えた方が良い場合もあります。
相手の行動をゲラゲラ笑うことが効果的な場合もありますし、呆れた反応をすることで伝わる場合もあります。
承認欲求が強すぎると、諭されている時ですら相手に良く思われようとして話を理解しなかったりするので、色々変えて試すわけです。
良く思われたいのに笑われたり、人気を得ようとしたのに呆れられたら、二度とやろうとは思わないでしょう。
話すだけが伝え方ではなく、角度を変えて伝えていくのも一つのやり方です。
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