ざっくり説明すると、私益は個人の利益、共益は集団の利益、公益とは社会の利益です。
私は人の賢明さを測る度合いとして、この3つに対する考え方を参考にします。
賢明な人ほど、私益→共益→公益の順に考えられるようになります。
その考え方は、必ずしも善良さや正義感から来るわけではなく、合理性から来るものです。
今回は、そんな話をしていこうと思います。
私益を優先する人
私益とは個人の利益です。
金銭だったり見栄や名声だったり、利益の形は様々です。
私の経験上、私益を優先して考える人が多いです。
私益を優先すると反感を買いやすいので、大抵の人は公益や共益を優先しているフリをして私益をとります。
例えば子供が
「毎月お小遣い1万円欲しい」
と親にねだること。
親の経済的な負担などを考えずに、自分の利益だけを考えた発言ですね。
子供は未熟だからそういうものです。
ただ、同じように
「社会は自分を救うべきだ」
という考え方の人も、社会の負担を考えずに自分の利益だけを考えています。
しかし、それだけだと反感を買うから、世の中のために発言しているという体裁を保つわけです。
私益を重視する人は視野が狭かったり、論理的な思考力に難がある場合が多いです。
色々な経験や考察を重ねていくと、世の中の物事が複雑であることが分かるようになります。
逆にそれがないと、起きている事の背景や原因が見えず、物事をシンプルに捉えようとしてしまうものです。
論理的な思考力が磨かれると、私益ばかり優先することで逆に損をすることが分かるようになります。
例えば、4人で漕ぐボートで遭難したとしましょう。
その時、自分が持っている食べ物を分けると共益になりますが、独占しようとすれば私益になります。
自分が食べ物を独占してしまうと、他の人が弱っていき、結果的に自分の作業負担が増えていく。
最終的に自分以外の人間が動けなくなってしまい、ボートは操作不能になってしまう。
自分も破滅してしまうわけです。
私益を優先する人達によって、同様の事が社会のあちこちで起こっています。
人の思想にケチをつける気はないのですが…過激派のフェミニストやヴィーガンの主張を通してしまうと、社会から生産性が失われて国全体が死ぬほど貧乏になるでしょう。
そうなると活動の結果、食い物にすら困るような状況になりかねません。
また、新興宗教みたいに人を依存させて利益を上げるやり方も社会に悪影響を及ぼします。
仏教なんかだと、考える大切さを説いて精神的な自立を促すのですが…
近年の宗教的な組織は信者を依存させ、思考停止させてしまいます。
その方が儲かるからです。
思考停止した人が増えると、不正や悪徳を見抜くことが出来ず、社会が正しい方向へ進んでいるかどうか判断がつきません。
そもそも自分の都合を優先していれば、自分の利益にならないことには無関心になります。
思考停止する人が増えるほど生産性も下がり続け、衰退を続けてしまう。
現代では能動的に経験や苦労をすることを避ける傾向にあるので、私益を優先する人が増え続けます。
だから、このままだと日本は普通に滅びると考えています。
私益を優先した結果、国が滅びたら元も子もありません。
共益を優先する人
共益とは集団全体の利益です。
例としてマンションのエレベーターが壊れた時、修理することは住民全体の利益となりますよね。
そのために共益費を払ったりするわけです。
しかし、私益を優先してしまうと共益が損なわれる場合があります。
例えば4人の会社があったとして、月の売上が100万だったとします。
経費や税などは別とすれば、4人で分配すれば25万ずつ貰えますね。
それを1人20万ずつにして、残りを会社の資金にしていけば、いずれは組織が発展して豊かになります。
しかし、社長が私益を優先して40万持っていくと、他の社員は20万しか貰えず会社も発展しないままです。
ブラック企業がこんな感じですね。
特に共益を著しく侵害するのが、私が定義する「普通のサイコパス」です。
詳しくは【サイコパス観察記録】という記事を読んで下さい。
私が喧嘩別れした会社では、普通のサイコパスが
「社員に金を渡す会社は破綻する」
といって、最低時給を下回る給料を上げようとはしませんでしたが、会社の資金は役員のキャバクラ代として盛大に使われていました。
会社は発展せず、社員の生産性はメキメキ落ちていき、離職者が相次ぐ状況に。
共益は私益を優先する人に吸いとられ、組織の衰退を招くわけです。
一方で、賢明な人は共益を優先します。
短絡的に自分の利益を追求するより、組織が発展していく方が長期的な利益に繋がるからです。
また、共益を優先すると組織内で信頼されるようになり、自由度も上がり生産性も高まります。
ベンチャー企業みたいな小さい組織では、個人の能力の他に、共益を優先出来る人をどれだけ集められるかが鍵になっています。
「会社を発展させよう」
と、共益を考える社員が多ければ不満は起きにくく、組織は発展しやすいです。
「会社に養って貰おう」
と、私益で考える社員が多いと不満が起こりやすく雰囲気は悪くなりがちで、足の引っ張り合いが起こるので会社の生産性は失われていきます。
共益を優先する人は私益を全く考えないわけではありませんが、基本的に私益より共益を大切にする。
これは組織や集団において、かなり重要なマインドです。
公益を優先する人
公益は社会全体の利益のことです。
国全体や都道府県、スケールが大きい話だと世界全体の利益を考えることですね。
例えば、税金は公益のために集められています。
そのお金で国の利益になることをするわけです。
公益は社会の存続と発展のために欠かせないものですが、日本は公益を利権によって蝕まれて成長を失いました。
分かりやすい例だと、環境問題が害悪なビジネスになってしまったことが挙げられます。
レジ袋の有料化という全く無意味な環境対策で、一部の人間の私益ために国民の負担が増えました。
ソーラーパネルが推進されていますが、パネルの製造過程で大量のco2が発生するうえに、太陽光発電のエネルギーは小さいので火力発電が無くなることはありません。
このように、利権団体が私益を得るために公益を損なうことが普通に行われています。
この段階に入ると、国民が賢くならない限り国を立て直すのは不可能です。
それを理解している人達が必死になって、国民が思考停止を脱するように活動しているのですが…
前述の通り私益に走る人が多いですし、思考停止させるビジネスも多いです。
このままだと国が衰退を続けて、今ある豊かな生活をいずれ失うことが目に見えているのですが…止まる気配もありません。
公益を真剣に考えられる人は、正義感が強いか賢明な人です。
「自分の国が貧乏になって滅びたら困るだろ」
って考えの人もいれば
「いざ滅びる時は国外に逃げるけど、出来ることはしておいた方が良いよね」
という考えの人も。
こういう人達は現実でもネット上でも結構見かけるので、日本も捨てたもんじゃないなと思います。
私益を優先する人が多くなり、公益を優先する人が少なくなるほど国が傾いてしまいます。
今、普通の生活を送れている人も、20年後にはスラム街で生活しているかもしれません。
公益は意識しづらいですが、極めて重要なことなんですよ。
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