フィクションと現実の認識

哲学系記事
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今回の話は、ちゃんと理解している人が少ない部類の概念だと思っています。

人の価値観は社会と関わることで形成され、人生経験を積むほど価値観はアップグレードしていくものです。

面白いもので、フィクションの世界を知ることでも価値観が変わっていきます。

しかし、現実とフィクションの境界線は曖昧になりやすいもので、フィクションの価値観を現実に当てはめてしまうこともあります。

これはバランスが大事で、現実世界を消極的にやり過ごしてフィクションにのめり込むと、無意識に現実からズレていきます。

現実とフィクションの人間

経験則ですが、現実からズレた人が急速に増えていると感じています。

その人達には共通点があって

・仕事や学業などに対して消極的、またはニート
・趣味らしい趣味が無い
・暇な時間はアニメやドラマばかり見ている
・SNSやyoutubeに依存

という感じの人が多いです。

要するに、現実の価値観よりもフィクションの世界の価値観を多く取り込んでしまっている人ですね。

人生経験<フィクションの経験…という状態になってしまっているわけです。

この状態だと、フィクションの世界の価値観のまま現実世界を見てしまいます。

例えば、めちゃくちゃ人を見下すオタクの人が一定数いるんですよ。

自己肯定感の低さもあるのですが…他に大きな理由があります。

アニメやマンガの世界のキャラクターは、物語を面白くするために特徴的に描かれています。

主要な登場人物は、やたら有能で生き様がカッコいい人が多いです。

当然ながら、現実でそんな人はまずいません。

しかし、フィクションの価値観が強いと、登場人物が人間のスタンダードになってしまいます。

人を判断する時に、無意識にフィクションの人間を基準にしてしまうんですね。

アニメのキャラクターに比べてしまったら、現実の人間は能力が低く、人間性も未熟で、個性もありません。

だから、現実の人間を見下してしまうわけです。

もちろん、本人もキャラクターと比べたら大した人間ではありません。

それは本人も分かっていることですが…フィクションの世界に自己投影をしていると、自分とキャラクターの認識が曖昧になります。

「なんかよく分かんねーけど、なんか俺は凄い」

という心理状態になってしまうんですよ。

この状態になってしまった人は非常に繊細で、微妙なバランスの上に自己肯定感が成り立っています。

少しつつかれただけで揺らぐので、煽られることに弱く、他者に攻撃的になります。

無理に現実を突きつけると精神崩壊する場合もあります。

オタクだったとしても、それなりに人生経験を積んでいればそんなことにはならないのですが…社会に対して消極的だと陥りやすいです。

人間関係に対する価値観

現実世界の人間関係はギブ&テイクと等価交換に近く、そうでないと維持が難しいものです。

搾取していたり、人間性が離れ過ぎていると関係は水面下で悪化します。

一方で、フィクションの世界は都合良く作られているので、人間関係も現実とはズレていることが多いです。

フィクションの価値観が強いと、やはり現実とのズレが生じます。

例えば、休みの日は恋愛ドラマとSNSばかりという人は恋愛に対する理想が極端に高くなります。

恋愛ドラマは平凡な主人公が、なんかキッカケがあって、なんかチヤホヤされて、なんか幸せになるパターンが多いです。

登場人物も美形揃いで、ギブの精神に溢れた良い人ばかりです。

人間が演技している分アニメやマンガより現実と混同しやすく、フィクションであるという意識が希薄になります。

恋愛ドラマの価値観に浸かると、恋愛に対して

「自分が何かしてもらうもの」

というスタンスになり、要求も高くなります。

きちんとした人生経験を積んできた人はギブ&テイクの精神を持っているのですが、恋愛ドラマの価値観が強い人はテイクに偏ります。

1をギブして9をテイクしようとする人が多いんですよ。

また、人間関係は同等の価値でないと成立しづらいのですが、キッカケがあれば何とかなると考えている人が一定数います。

これもフィクションの影響が強いのではないかと考えています。

知人にジャニーズの熱烈なファンがいたのですが、どこかで運命的に出会えれば…なんやかんやあって付き合えるかもしれないとよく言っていました。

本人は半分は冗談だけど半分は本気です。

しかし、芸能人って一般人にあまり興味無いんですよ。

能力や人脈や考え方が全く違いますからね。

だから出会っても、よっぽど容姿が優れていて性格も良いとかじゃないと…まず無理です。

世の中はフィクションと違って、都合良くはいかないわけです。

ズレを修正するのは難しい

これらの問題の厄介な点は…現実とフィクションは違うと分かっていながら、無意識に価値観として刷り込まれていることです。

自分の価値観がズレているのに気付かないから、世の中が悪いように思ってしまいます。

現実社会と向き合っていけば改善されていくのですが…

そもそも現実逃避でフィクションにのめり込む人が陥りやすいので、自力での改善は難しいです。

SNSもある意味バーチャルの世界なので、その人達にとっては逃避先の一つにしかなりません。

現実逃避するほど現実とズレていくという…負のスパイラルです。

別にフィクションが悪いわけではないんですよ。

人に娯楽は必要なものですし、役に立つ価値観もあったりしますから。

シンプルに現実逃避が問題なんですよね。

人生は嫌なことから逃げるほどキツくなるもので、これはどうしようもないことです。

ドラクエでレベルを上げなかったら途中で行き詰まるのと一緒です。

しかし、人生が辛い人は多いし、現実逃避はもう仕方ないと思っています。

流石にそれをやめろとは言えません。

ただ…世の中は自分の思い通りにいかないのが普通だということを覚えておいて欲しいです。

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