報復は過剰になる

哲学系記事
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今回の記事は、「同調して肥大する悪意」という記事の続きです。

同記事で悪意が増幅するという話をしましたが、今回はその先にある話です。

報復や暴動にフォーカスして話をしていきます。

ルワンダ虐殺

ルワンダの虐殺事件は、報復が過激化した分かりやすい例です。

元々ルワンダには多数派のフツ族と少数派のツチ族が存在していて、その境界は曖昧でした。

言ってしまえば、東京都民と埼玉県民みたいな違いです。

しかし、ベルギーがルワンダに植民し、少数派のツチ族を優遇し始めます。

曖昧だった二つの民族を明確に区別し、教育や社会的身分など明確に差別しました。

優遇されたツチ族は、フツ族を虐げるようになります。

ところが二次大戦後、ベルギーは政治的背景から手のひらを返すようにフツ族を支持し始めます。

虐げられてきたフツ族は恨みを忘れるわけもなく、今度はツチ族を虐げます。

ある時、ツチ族の若者がフツ族の指導者を襲撃しました。

指導者は無事でしたが、指導者が殺されたという誤報が流れてフツ族は怒り狂います。

怒りに任せてツチ族の指導者を殺害し、それが火種となって1994年、内戦に突入しました。

元々多数派だったフツ族はツチ族を圧倒します。

フツ族の穏健派は裏切り者として殺害され、フツ族の一般人は隣人のツチ族を殺害しなければ裏切り者にされてしまうように。

フツ族の恨みは凄まじく、ツチ族を虐殺していきました。

手足を切り落として苦しめながら殺したり、家族同士で殺し合いをさせたり…

幼児を岩に叩きつけたり汚物槽に放り込んだりして殺害したり…

妊娠中の妻の腹を切り裂いて胎児を取り出し、夫に食わせたり…

などと、あらゆる残虐な方法でです。

内戦が落ち着いた現在でも、フツ族とツチ族は同じ国の同じ地域で暮らしています。

これだけの恨みを抱いて、今後も平和に暮らしていけるのかは分かりません。

報復と制裁

残虐な話の後で難ですが、私は報復と制裁を肯定しています。

ただ、それは自衛のためと周りへの害を防ぐためです。

虐げる側の人間は、報復をしないと永久に虐げようとします。

自分の身を守るために報復は必要なことです。

しかし、やり過ぎるとツチ族のように恨みを買って、立場が変わった時にさらに酷い報復を受けてしまいます。

怒りによって報復をするのではなく、冷静に節度を持って報復する必要があります。

虐げられた人間は憎しみに囚われやすく、自分の立場が強くなった時に過剰な報復を行ってしまいます。

その憎悪は膨らみ続け、虐げた人間だけでなく社会にも向けられるようになります。

だから、誰かを虐げる人間がいたら制裁を加えて無力化し、憎しみを抱く人間を増やさないようにしなくてはなりません。

例えば、学生時代に男性に嫌な目に合わされた女性が憎悪を抱いたら、社会に出た時に立場の弱い男性を虐げるようになります。

また、いじめによって社会に憎悪を抱いた人間が、凶悪事件を起こすことも。

立場が弱い状態での報復は、多くの人にとってハードルが高いものです。

報復をきちんと出来ない人ほど、チャンスに恵まれた時に過剰に報復をしてしまいます。

裁くものはきちんと裁かないと、社会に悪意が撒き散らされるわけです。

承認欲求や私利私欲のために他者を虐げる人間を非難すること…

私はそれを肯定していて、それは制裁の一つであると考えています。

スゲー馬鹿にされたり叩かれたら、同じことをやるのがストレスになりますから。

自分が虐げた人間に報復されることは少ないかもしれませんが、他人が虐げた人間に自分が報復されるということは世の中ではよくあることです。

日本人の性質

「日本ではルワンダみたいなことは起こらない」

「日本人は過激なことをしない」

と考える人が一定数いるのですが、それは歴史を知らないだけです。

戦後、共産主義思想に扇動された左翼過激派によって動乱が起きたことを日本人は忘れがちです。

一般人や学生達が暴徒となって機動隊と衝突したり、自衛官を集団で襲って殺害したり…

銃器を使って警察や民間人を殺害したり、航空機をハイジャックしたり…

1972年にはイスラエルのロッド国際空港で、日本人3名が空港で銃を乱射し、多数の民間人を殺害しました。

左翼や共産党と聞いて眉をひそめる人がいるのは、こういった過去があるからです。

余談ですが、暴徒として参加した人達は沈静化した後に教師になったりしているので、学校は左翼思想が強い場所が一部あります。

まあ、何が言いたいかというと…日本人でもキッカケさえあればルワンダ虐殺みたいな事件を起こしかねないということです。

今日では警戒心を抱く人が少なくなりましたが、恨みや悪意の連鎖が続くとどうなるか分からないワケです。

もしかしたら10年後には暴動やテロが多発する社会になっているかもしれません。

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