今回の話は悪用出来るものなので、有料記事で出そうと考えていましたが…わりと多くの人に必要そうなので普通に投稿することにしました。
詭弁とは論理的に間違っていることを意図的に話して、自分の意見を押し通すことです。
詭弁を使う人はとにかく多く、詭弁によって社会が乱されていると言っても過言ではありません。
レジ袋有料化なんかも環境ビジネスの詭弁から始まりました。
詭弁に対する最も有効な方法は無視です。
しかし、無視出来ない場合もあります。
だから、まず詭弁を知っておく必要がある。
今回はそんな話です。
ストローマン論法
詭弁を使う人に多いテクニックがストローマン論法です。
相手の主張を歪めたり、意図的に理解しなかったり曲解して受けとる論法です。
wikipediaを引用すると
相手が示した意見を歪め、あるいは一部のみを取り出して解釈し、それを相手が発言したかのように言い返す。
さらに発言を引用する形で一見では否定しがたい持論を作り出し、自らの発言の正当性を補強する。
相手の意見に同調する不完全な擁護意見を持ち出し、充分な主張・再反論がされたようにみせかける。
発言の中から一見関係ありそうな問題や考え方を取り出し、さも相手側の意見はこれを象徴するものとして非難する。
という感じで、マスコミなんかがよくやる手口ですね。
詭弁を使う人は論理的に話す気がありません。
自分の都合を押し通すことが全てだからです。
話し合いの正しさではなく、周りに支持されること…つまり、オーディエンス判定を狙います。
その際、ストローマン論法は無茶苦茶ながら非常に有効なテクニックです。
聴衆の大半は議論の内容より雰囲気で判断するものです。
明らかに無理のある論理展開でも、一方的にまくし立てて最後に「はい論破」とつける。
聴衆の中にはそれだけで「あ、論破したんだ」と判断する人もいるぐらいです。
議論の中身までしっかり考えられる聴衆は意外と多くありません。
詭弁を使う人には雰囲気で負けてはいけないわけです。
私の経験上、ストローマン論法に対してはストローマン論法でカウンターをするのが有効でした。
実際の例としては
「動物を食べなくても穀物だけで世界中の人が生きていけると研究結果が出ている」
という意見に関して
「仮にそれが本当だとしても、食肉や動物製品を作る人達が職を失うので大量の失業者が出る」
「失業者が増えることによって生活苦から犯罪が増える」
「動物より先に人間の生活を守ることが大切じゃないですか?」
と答えました、すると
「あなたは動物が残酷な殺され方をしていても気にしないと言うんですか?」
「自分が動物の立場だったらそんなことは言えないはずです。」
と怒りだす。
この太字の部分がストローマン論法です。
誰も動物が残酷に殺されても気にしないなんて事は言っていませんが、自分の主張に反対する=動物虐待主義者みたいに歪めて非難しています。
自分が~の立場だったら…は、詭弁でよく使われる論点のすり替えです。
一見すると正しいように見えますが…社会の利害についての話であるのに「動物が可哀想」という話にすり替えられています。
論理的な正しさと感情に寄り添うことは全く別の問題です。
さて、これに対して「そんなことは言っていない」とか「可哀想だとは思ってる」とか答えるのは悪手です。
そのまま相手に有利な雰囲気になってしまいます。
なので、同じようにストローマン論法で返答しました。
「では、あなたは大勢の人間が餓死したり犯罪に巻き込まれても構わないと言うんですね。」
「あなたは動物の方が大事だから人間は死んでもいいと言っているんですよ、分かっていますか?。」
ゴリッゴリの詭弁です(笑)
もちろんそんなことは言っていませんし、歪めた解釈でレッテルを貼っているだけです。
しかし、この上なく効果的です。
詭弁の争いになると先に論理を捨てた方が不利なんですよ。
相手が詭弁を使った瞬間、即座に詭弁でカウンターをすると一気に流れが自分側に傾きます。
ただ、詭弁を使うのはカウンターの一瞬だけにして、それ以外は論理的でないといけません。
詭弁を使うほど「何か言ってること変だぞ」と気付かれるからです。
論理的な話をするうえで詭弁を使うことは恥ずべき行為ですが…
相手が論理的に話す気が無い場合はただの口喧嘩なので、私は詭弁を使って反撃しています。
他者の同意
「~さんもそう言っている」
「みんながそう言っている」
立場が上の人間や多数の人が同意しているから自分の主張が正しいという詭弁ですね。
論理的な話合いにおいて他者の同意は関係ありません。
しかし、日本人には権力者や多数派の意見が正しいという価値観が強く根付いているので…丸め込まれやすいです。
「◯◯さんもその方が良いと言ってる」
私は「それ何か関係あります?」で流して話を続けることが多いです。
また、法定の手当てが支払われていない問題について
「知り合いの社長が、社員に金を渡す会社は潰れると言っている」
「他の社員は手当てを貰えなくても良いと言っている」
という話をされたので
「それは法律で決まっているものを払わない理由になりますか?」
「社員の都合とかではなく、定められた手当てを払っていないのが問題なんです。」
と返しました。
そもそも他者の同意は嘘である場合も多いです。
なので
「具体的にいつ誰が言っていたんですか?」
「どういう経緯でその話が出たんですか?」
「それは本当のことですか?」
などと問答を繰り返します。
嘘だった場合、絶え間なく質問を繰り返すと相手はしどろもどろになります。
目の前ですぐに電話して確認するのも有効なテクニックです。
著名人の引用だったら目の前で調べるのもアリです。
相手の詭弁を封じて論理的な話合いから逃がさないようにするわけです。
悪魔の証明
「罪を犯していないことを証明しろ」
そう言われて証明出来る人がいるでしょうか?
やっていないことを証明するのは基本的に無理です。
事件があると捜査する側が証拠を集めて犯罪を立証するように、疑いをかけた側が根拠を提示すべきものですから。
「ない」ことを証明することは出来ない…これを悪魔の証明と呼びます。
例えば、会議で提案した時に
「その提案で問題が起きないことを証明しろ」
と言われても無理な話です。
提案に反対するなら反対する側が問題点を言及すべきです。
逆に問題点が見当たらないなら反対する理由にはならないんですよ。
しかし、個人的な都合で反対したい場合、悪魔の証明を持ち出す人もいます。
これは反対する側が証明すべきことを相手に擦り付ける責任転嫁です。
また、国際上でも悪魔の証明は起きています。
2003年のイラク戦争が起きる前、アメリカはイラクに
「大量破壊兵器を持っているに違いない」
と突きつけました。
イラク側は査察を受け入れるなどして疑いを晴らそうとした結果、「持っている証拠」は見つかりませんでした。
しかし、「持っていない証明」は出来ていません。
結局、敗色濃厚な戦争に突入しました。
この戦争は背景が複雑なので、どちらが悪いとは言いません。
ただ、開戦の理由が悪魔の証明だったことは事実です。
悪魔の証明の対処法として、安部元首相は国会でストレートに「悪魔の証明だ」と反論していましたね。
これも一つの手です。
悪魔の証明を説明して「無理なものは無理」というのは分かりやすい方法です。
私の場合は相手に根拠を聞きます。
「罪を犯していないことを証明しろ」
↓
「私が罪を犯したと言える根拠は何ですか?」
「その提案で問題が起きないことを証明しろ」
↓
「不測の事態が起きる時は起きるもので、未来が分からない限りリスクはつきまとうものです。」
「現時点で問題があるという根拠は何ですか?」
などと、転嫁された説明責任を相手に投げ返すわけです。
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