人生哲学のフィールドワーク

哲学系記事
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本やネットなど、机上で処世術を学ぶのには限界があります。

社会は感情を持つ人間が集まって形成されているものです。

その複雑な動きを机上で理解しきるのは現実的ではありません。

理解をより深めるためには、フィールドワークが必要になります。

今回は、そんな感じの話です。

人間心理の細かい機微

ネットやメディアからの情報収集は効率的です。

人生哲学について知ろうと思ったら、人生哲学の発信を見るのが手っ取り早いし情報量も多い。

しかし、それだけでは不十分です。

人生哲学において重要になってくるのが人間心理です。

人の心理は複雑怪奇で理解するのは難しいものです。

例えば、

「マウントを取る人は自己肯定感が低い」

これは断片的な事実です。

同じマウントでも承認欲求から来る場合と不安から来る場合では発生の仕方も対処法も変わってきます。

自衛隊や職人など、獣の社会では自衛のためにマウントを取ることもあります。

心理学はあくまで人間心理を知るうえでの基礎に過ぎず、それは宇宙の中で太陽系の惑星を覚えた程度のものです。

人の心理の細かい機微は現地でしか学べないこともあるんですよ。

ネット上では目立つ行動をした人間の話が中心です。

「知らないオッサンが牛丼屋で唐辛子をかけ過ぎてむせた」

なんて、どうでも良い話を書く人はまずいませんからね。

しかし、そのどうでも良い光景の中にある細かい機微の蓄積が人間心理の解明に役立ちます。

私は自衛隊の中でも荒っぽい部隊にいたので、獣の社会の心理について見識があります。

心理学者で獣の社会を生きてきた人は中々いないので、本やネットを探しても自分が持っている見識以上の情報には滅多に出会えません。

「全てを丸く納めるために殴られる」

「自分が殴られることで相手も誤りを認める」

こんな処世術は獣の社会ならではですね。

これも現地で見聞しなければ分からないことですから。

色々な場所に細かい機微が転がっていて、それらを集めて心理学の隙間を埋めていく。

人の心理を理解するうえでフィールドワークは欠かせないわけです。

群衆心理の揺らぎ

群衆心理は単純に見えて複雑で、理解するにはフィールドワークが必須になります。

扇動を行うにしても群衆が持つ雰囲気によって結果は変わるものです。

「社会が悪い!」

と扇動しても

「そうだ、そうだ!」

と乗っかる場合もあれば

「何言ってんだコイツ」

「うるせえな黙れ」

と呆れられたり叩かれることもあります。

ネット上でも扇動は行われますが、細かく分析する人もいるので道理が通らないと簡単に暴かれてしまいます。

ネットの発達によって、短絡的に扇動をしようとすると手痛い代償を払うようになりました。

扇動の失敗例は炎上という形でよく目にしますね。

権威があれば扇動出来ると勘違いされがちですが、群衆は気位が高いものなので従う相手を選ぶものです。

悪用されたら洒落にならないので細かくは書きませんが、群衆を動かすには機微を読んだり抑えるべきポイントが必ずあります。

これを見抜くのは相当難しく、大人数を操るには極めて高い洞察力と論理的な思考力が必要になります。

扇動の成功と失敗の差は、単純に能力の差が出ているだけで善悪は関係無いと考えています。

普通の人が行う扇動は簡単にボロが出るので、そんなに怖いものではありません。

しかし、知能の高い悪性のサイコパスが扇動を行った場合は非常に危険です。

近年の例だとオウム真理教がまさにそれですね。

群衆心理は、実際に群衆を観察し続けていないと把握出来ないものです。

たまーにネット上で扇動の方法を見かけたりしますが

「あー、分かってねーな」 

と思います。

扇動は経験値が物を言うのでマニュアル化するのは相当難しいです。

軍事だと潜入工作の手段として使われるので、特殊部隊並のスキルなんですよ。

適性を持つのは少数で、適性が無いとバッサリ切られます。

一朝一夕で身に付く能力でもないわけです。

机上では絶対に得られないので、膨大なフィールドワークが必要になります。

私程度の経験値を話したところで誰もが出来るようになるわけではないのですが…

様々な情報を元に幼少期から訓練を重ねれば、扇動の達人を生み出せる。

だから、倫理的に話してはいけないことだな…と思っています。

価値観の収集

自分一人の価値観というものは、たかが知れているものです。

様々な価値観を収集することで多角的に物事を見れるようになるし、人生で直面するような問題の解決に役立ちます。

自分の価値観をスマートフォンのOSだとすると、他者の価値観はアプリのようなものです。

他者の価値観を収集しないとガラケーと大差ないんですよ。

自分の価値観と全く違う価値観を吸収すると、考えるきっかけにもなります。

例えば私は宗教を好みませんが、宗教の価値観は積極的に吸収しようとします。

必ず役に立つものがありますし、特に仏教からは学ぶことが多いです。

自分の価値観と吸収した価値観を比較して、論理的に正しい部分を採用してアップデートをする。

採用しなかった価値観も、問題解決の手段として利用出来ます。

で…この価値観なんですが、行動の観察によって得られるものが多いんですよ。

宗教の教義や哲学の遺産は本やネットから学べますが、人が持つ価値観は実際に人を見ないと参考になりません。

人って嘘をつくんですよ。

本心とは別に、周りに意見を合わせたり綺麗事を言ったりします。

「子供は国の宝だ」

なんて言ってるオッサンが自分の子供を虐待してたりもするわけで、表面的な言葉なんて参考になりません。

行動で嘘をつくのは難しいものです。

腹の底にある本心を語る人は少ないですが、行動からは本心が読み取れます。

例えば、トイレットペーパーが無くなるというデマが流れた時…普段から「譲り合いが大事だよね」と言っている人がペーパーを大量に買い占める。

利己的な人間は行動で綺麗事を示せないわけです。

人の言葉だけで価値観を吸収していると綺麗事の割合が多すぎて…お花畑みたいになってしまいます。

リアルな価値観を収集するためにフィールドワークが欠かせません。

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