悪影響か免疫か

哲学系記事
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「子供に対する悪影響が~」などとよく言われる昨今ですが、完全に隔離するのもまた様々な問題を含みます。

人は環境や物事に影響を受けるもので、影響を受けながら学んでいきます。

無菌室で育った生物が外界に出ると病気ですぐ死んでしまうように、完全に隔離すると特定の分野に対して非常に弱くなります。

物事に触れることで、その物事に対して免疫を持つようになります。

ヤベー奴と関わるとヤベー奴に対する免疫がつく。

ヤベー奴と全く関わらずに育つと、社会に出た時にヤベー奴の対処が出来ません。

関わり過ぎるのは問題ですが、完全に隔離するのも良くないわけです。

今回はそんな話です。

ゲーム脳

昔からマンガやゲームは悪影響があると言われてきました。

私が子供の頃は「ゲーム脳」というデマが流行ったものです。

ちなみにゲーム脳は科学的根拠が無い…どころの話ではなく、全てにおいて滅茶苦茶な理論です。

ゲーム脳の提唱者は脳や精神の専門家ではありません。

ゲームについても全く知らないオッサンです。

ゲームが悪影響を与えるという根拠は、自身が自作したという何の意味も無い装置の結果だけでした。

何故かマスコミがそれに乗っかって広くデマを広げる形になったわけです。

子供が自分の思い通りにならないと不快に思う親は一定数いて、当時はゲームに没頭する子供を嫌がる人が多かったようです。

そのため、ゲーム脳というデマが広く支持されました。

ちなみに香川県のゲーム条例制定の根拠にもゲーム脳が挙げられています。

これだけ悪として扱われてきたゲームですが、論理的な思考力を養う上で非常に有効なものです。

ゲームの世界ではゲームの理があるので、感情的に喚いたり駄々をこねても上手くはいかないんですよ。

ゲームをプレイしている人にはブチギレる人も多いのですが、自分の思い通りにならないことにキレるわけです。

しかし、感情を抑えながらゲーム内ルールに従ってクリアすると達成感があります。

トライ&エラーを繰り返して結果を出す。

これは社会でもそのまんま通じる価値観です。

論理的であるということは理に従うことでもあるので、論理的であるほどゲームが得意になります。

逆にゲーム嫌いは感情論が強い人が多いです。

もちろんネットゲーム廃人みたいに依存し過ぎるのは問題ですが、子供のうちから論理的思考を養えるものとしてゲームは有効なんですよ。

過激な表現

マンガやゲームの過激な表現も悪影響を与えると言われています。

まあ、表現が行き過ぎると悪影響はあるのかもしれません。

だからこそ年齢制限は必要だと私も思います。

ただ、マンガの影響って悪いものばかりではないんですよ。

例えば、少年ジャンプのスローガンである「努力・友情・勝利」は健全な精神を養うのに適したものです。

特に正義感を養うのは現実よりマンガの方が適しています。

また、「闇金ウシジマくん」という…人の悪意に溢れたヘビーなマンガがありますが、悪意に対する警戒心と免疫を養うのに中々良いなと思っています。

近年のライトノベル系作品は承認欲求や欲望まみれなので何とも言えませんが(笑)

創作物の規制に目が行きがちですが、人は創作物よりも家庭の影響を最も受けるんですよ。

親が自分の欲望のために子供を振り回すと、創作物より遥かに悪影響を与えてしまいます。

自分の言うことを何でも聞く良い子に育てようとすると思考停止したマニュアル人間になります。

そのまま大人になった時は騙されたり搾取されやすく、鬱にもなりやすくなります。

やたら感情的になって怒る親の元に育つと対人恐怖症になりやすいです。

ASDは先天的なものですが、ADHDは家庭環境で発症したりします。

親が感情論や詭弁を使う姿を見て、子供は真似します。

その環境が続くとワガママを屁理屈で通すことが正しいという価値観になってしまいます。

親が子供に無関心だと、子供は悪いことをして気を引こうとしたりします。

その蓄積から不良になったり、承認欲求から過激な行動をするようになります。

また、私個人の話になりますが…私の家族は感情論に偏っています。

自分が気に入るかどうかが判断基準なので、道徳的に良いことをしても罵倒したりするんですよ。

その中で腐らなかったのはマトモな大人に出会ってきたからなのですが、それとは別に創作物の影響も大きかったです。

家庭環境が悪く、創作物に触れず、マトモな大人に出会えなかった人は十中八九ヤベー奴になります。

家庭環境を省みずに創作物の規制をするのは、ある種の責任転嫁のような気がしています。

過度な規制

自衛隊時代の上司は若い頃、親に恋愛を禁止されていたそうです。

親の指示で男子校に入ったものの、大学進学は許可されず自衛隊に来たそうです。

その結果、女性に対する免疫がなくて部下とすら上手く話せないので…40過ぎた今も彼女すら出来たことがありません。

何でそんなに異性から遠ざけようとしたのかは分かりませんが、明らかに悪影響が出ています。

私は恋愛嫌いですが、若い頃に恋愛の紆余曲折を経験するのは大事なことだと思っています。

若い内に経験しておかないと大人になってから過剰に求めてしまいますしね。

物事を経験すると免疫が出来ます。

短期的には良くないことでも、長期的には良いことだったりするんですよ。

私の人生哲学は自身の経験と失敗、そこから来る応用が含まれています。

誉められた事ではありませんが、殴り合いみたいに一般的にやってはいけないような事からも経験を得ていたりします。

そういう経験が無かったら理解出来かった事も多いですし、私が話せる内容は大分薄くなっていたと思います。

「やってはいけない」と規制すれば失敗はしないんですよ。

その反面、経験と失敗から学べる物を失います。

人生において最も学べるものが失敗です。

その失敗を避けることが正しい事だとは…一概に言えないと思っています。

致命的な失敗でなければ経験するに越したことはない。

極端な人だと、子供が友達と遊ぶのは時間の無駄と考える人もいます。

友達と遊ぶ経験をしないと、人とのコミュニケーションが死ぬほど下手になるし罪悪感や協調性なども育たなくなります。

過度に規制するより、致命傷にならない程度に失敗させた方が人は健全に育つものです。 

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