今回は、シンプルに怖い話をしようと思います。
といっても私の心霊体験はあまり無いので、以前に記事にした不可解な家の話をしていこうと思います。
特定されないようにフィクションを交えます。
妙な依頼
私は元々、幽霊は概念上の存在だと思っていたので全く信じていませんでした。
ただ、一軒の家と関わる機会が何度かあって、そこでの体験から考えを改めました。
その家に行く事になった理由は話せませんが、家主から
「自分がいない時にその家の中で留守番をしてくれ」
という希望がありました。
その家は大きな一軒屋で、外観はわりと普通なんですが…
なぜか外に繋がる窓や扉がボルトで固定されていて、玄関扉以外は開ける事が出来ません。
また、トイレと風呂場以外は全て人感センサー付きの監視カメラが設置されていて、さらには侵入感知用のセンサーまで張り巡らされています。
どんな泥棒でも痕跡を残さずに盗みに入る事は不可能でしょう。
家主はその家で1人暮らしをしています。
家主は「家の中に誰かがいる」と言っていて、それゆえに不安だから留守番をして欲しいそうです。
ごく稀に人の家の屋根裏とかに住み着く人がいるから、似たようなパターンかもしれないと最初は思いました。
ただ、どうにも不可解な事が続いたんですよね。
初日は数人で留守番をする事になりました。
不審な点か無いか家の中をチェックしていると、監視カメラのモニター映像を見ていた1人に呼ばれます。
おかしな映像があったそうです。
カメラ映像を巻き戻して確認すると、映像の中の一つの部屋の電気が突然消えました。
で、その部屋には誰もいなかったんですよ。
すぐにその部屋へ確認しに行きました。
その部屋のスイッチは壁にあるタイプで、リモコンがあるわけでもなく電灯が切れたわけでもない。
スイッチを操作すると普通に点灯します。
つまり、壁のスイッチを操作しない限り電灯は消えないわけです。
その部屋の監視カメラには誰も映っていません。
他に来ていた人間は別の場所でカメラに映っているので、その部屋には行っていません。
ただ、誰もいないその部屋の人感センサーは反応していました。
初日から不可解な事だらけです。
頻繁に表れる影
その家には私1人で行く事も多く、当然ながら家主がいない間は1人で留守番をする事になります。
1人で家の中にいると、おかしな点に気が付きました。
視界の端で、やたら影が通るんですよ。
階段の曲がり角に引っ込んだり、振り返った時に横切ったり、何かが動くのを感じるようになりました。
人は「何かがある」と考えると錯覚する事が多くなるもので、自分の手や髪の毛にすら過剰反応をしたりするものです。
だから、最初は影が通った気がするだけで錯覚だろうと考えてました。
ある日、洗面所の掃除をしていた時。
一段落ついてパッと後ろを振り向いたら、洗面所の入口付近の廊下に影がはみ出しているのが見えました。
人の頭くらいの大きさです。
「あれ?何の影だ?」
と思って数秒くらい見つめていたら…急にスッと引っ込んでいなくなった。
外から影が入るような場所でもない。
家の中に何かがいなければ起きない現象です。
もちろん、私以外は誰もいませんしペットもいません。
「あっ、なんかいるわ」
と確信した瞬間です。
で、その影は他の人間も見ているそうで、話を繋げると特定の方向に影が動いている点が共通していました。
その方向とは、電気が消えた部屋がある方です。
その部屋は日によって家主が入口に障害物を置き、閉ざされている事があったりします。
家主は
「その部屋から家に侵入されるんです」
と、言っているぐらいなので非常に怪しい。
どう考えても発生元そこじゃん。
しかし、何度調べても不審な点は無く、ただ家主のご家族の遺品があるだけです。
詳しい事は話せませんが、家主のご家族は事件や事故などで全員亡くなられたそうです。
その話を聞いて流石に怖くなりました。
怪談話やホラーゲームみたいな話が現実にあって、実際に不可解な現象も起きている。
今まで人が首を吊った木の側でポンチョにくるまって野宿したり、事故物件に住んだり、仕事で心霊スポットに行ったりする事がありましたが、何にも起きませんでした。
しかし、こんな何の変哲もない一軒家で怪奇現象が頻繁に起きて、さらにそれを目撃するとは思わなかったです。
ポルターガイスト
動く影の他に物が動くという現象も起きるようになりました。
最初に気が付いたのは時計です。
電池が入っていない目覚まし時計が埃を被ったままリビングに放置されていたんですが…針が動くんですよ。
元々、3時30分くらいだった針が、ふと見た時には3時10分を指している。
また違うタイミングで見た時は3時40分を指している。
一応確認をしてみると電池は入っていませんでした。
謎です。
次に物が揺れる現象がありました。
台所に入ると、ぶら下がっている物の中でオタマだけがぐいんぐいん揺れていた。
地震があったわけでもなくトラックが通ったわけでもないし、周りの物は揺れずにオタマだけが強めに揺れている状態です。
そして、リビングにいる時。
テーブルの上にステンレス製の水切りザルが置いてあったんですが、それが突然スーッと動いてテーブルから落ちた。
死ぬほどビビりました。
だがしかし、幽霊が怖いからといって帰るわけにもいかない。
日本の仕事はそんなに甘くない。
そのため、ザルがテーブルから落ちてしばらくしてから…吠えました。
その瞬間にスイッチが入って恐怖が吹き飛び、家中を「出てこいコラア!」と叫びながらドカドカと歩き周り幽霊を探す。
とりあえず見つけたら半殺しにしようと考えてました。
しかし、何も見つからず…行動のせいか恐怖も感じなくなる。
それからは影も見なくなりました。
その後も壁にかかっている絵がギコギコ揺れているのを見たりしたんですが、「うるせえ」と壁を殴ったらポルターガイストも起きなくなりました。
私としては幽霊がいるかどうかは確証が無いんですよ。
不可解な現象も恐怖による錯覚なのか幽霊のしわざなのか別の原因があるのかは判断つかないですし、そもそも幽霊の姿を見ていない。
知り得た情報やロケーションから来る思い込みで、脳が誤認をしているかもしれない。
ブチキレて恐怖が無くなった事により錯覚が無くなったという可能性もあるんですよね。
なので、真相はよく分からないままです。
余談ですが、以上の経緯から幽霊が存在する可能性はあると私は考えていますが、お祓いなどは信じていないんですよ。
もし幽霊が存在するなら高次元の存在という事になりますが、その高次元の存在に影響を与えるような超常的な力を都合良く人間が持っているとは考えにくい。
ただ、お祓いに全く効果が無いとも考えてはいません。
個人的に、幽霊ってイキリオタクみたいな感じじゃないかと推測してるんですよ。
弱気な相手にはトコトン強気に出て追いかけ回すけれど、強気な相手にはひよって大人しくなる。
だから、お祓い自体に超常的な効果があるのではなく、幽霊的には怒られて凹む感じなのかなと考えています。
幽霊の対処って意外とシンプルなのかも知れません。
コメント